猿もじっとこちらを見てから一斉に山へと走って行った。

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夏の終わりのことでした。主人が会社の上司から畑を無料で借りられることになったよ〜と言い出し、借りることにしました。会社の方は繁華街となりますが、借りた畑は山の手にあり、畑をすぐ登ると森に続く道があるような場所でした。上司の方のお父様が持ち主だそうですが、すっかり高齢となり畑を持て余しているので無料で、とのことでした。

子供がおりますので、無農薬の野菜が手に入り、子供達も収穫できたりと楽しんでいる上、食育にもなるかなぁと我が家にはメリットばかりでした。昨年は結局、葉物は虫に食べられ全滅。私達の口に入ったのは、大根とじゃがいもだけでした。それでも主人は試行錯誤を繰り返し、農薬を使わぬように考えて今年はきゅうりやなすび、トマトやピーマンなどが収穫でき、秋に向けてはさつまいもを植えようと考えていました。

畑のすみに梨の木があり、初夏に花を咲かせるのですが小さな実のままでもったいないね〜と主人と話していました。そして主人が上司に一言いって梨の木の剪定を許可してもらいました。インターネットで剪定の仕方を調べ、今年はたくさんの花を付け、実もたくさんなりました。摘果をして、うまくゆけば食べられるかも?なんて期待をしていました。梨の実は直径5〜6センチと、売っているものよりは小ぶりですが、今まで姫りんごサイズだったのを思うととても楽しみになっていました。

お盆を過ぎ、次の週末に家族で収穫しようね〜と言っていたところでした。朝早くに子供達とプチトマトの残りを収穫しに散歩同然で家から歩いていくと、10匹程の毛が生えた生き物がモゾモゾと動いています。私も主人もそこそこ都会育ちで、主人の転勤でこちらに来たため全く免疫がありませんでした。ふっと振り返ると猿でした。

梨の実をいくつもかかえて片手で食べながら移動しています。固まりました。子供達の手をぎゅっと握りしめ、襲いかかって来たら抱っこして逃げなければと思っていました。猿もじっとこちらを見てから一斉に山へと走って行ったので、ホッとしました。

子供達といつもお散歩感覚で来ていたところにあんなに大きな動物がいるとなると子供をつれて気軽に来るのは怖いなぁ、、、と思うようになりました。それを主人が上司の方に伝えると、一応檻を置こうと言って下さり大きな檻が畑のはしっこに置かれることになりました。

私も子供達もあれからは怖くて畑にはあまり行かなくなりましたが、主人から聞いた話では数頭の猿やいのししがかかったとのことで、自然がたくさんあるのはいいけれど主人がいる時以外は近づかない方がいいね、ということになりました。

梨は結局全て食べられてしまい私達の口には入りませんでした。動物園で柵の中にいる猿とは全く違う雰囲気だったので、本当に怖かったです。

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