『哀れ,ドブネズミの末路』

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 それは,まだ子供たちが小さかったころのことです。我が家はアパートの三階(最上階)に住んでいました。ある時,ネズミが天井裏を駆け回るようになりました。かなり大きな音で,ダニやほこりが落ちてきたらどうしよう,台所とかに出て,食品をかじったりしたらどうしよう,子供たちをかじったらどうしよう・・と思いながらも,天井裏に潜るわけにもいかず,そのまま数日が過ぎました。

台所のシンク下の排水管と床には隙間があるので,とりあえず,そこをパテと粘土でふさぎ,台所侵入を防いだつもりになっていました。そして,数日後,いつものように朝食の後片付けをしていると,けたたましくなる電話。(当時は黒電話でした)階下の住人から水漏れがしているとお叱りの電話。あわてて,シンク下を見ると,配水管が食い破られていたのです。

ドブネズミが何とか台所への執念の侵入を試み,配水管を破って通路を確保するという暴挙に出たのです。階下のお宅へ行き,事情をお話しして,丁重にお詫びに伺い,菓子箱を届けて,水漏れは一件落着。水道屋さんに排水管を交換してもらいました。

騒ぎを聞きつけた近所姑ちゃんたちが,「ネズミホイホイ買いなさい」と教えてくれたので,すぐにホームセンターでネズミホイホイなるものを購入。要は,ゴキブリホイホイの巨大強力版です。排水管と床の隙間をあえてそのままにして,ホイホイを設置。姑ちゃんズによると,ちくわとかおつまみの揚げイカを餌にしておくと,よくかかるとのこと。ありがたいアドバイスに素直に従い,一晩待ちました。

翌朝,ごとごととシンクしたから明らかに生物の動く音が・・・・・。かなり暴れている様子。恐る恐る開けてみると,体調20cmほどのでかいドブネズミが引っかかっていました。さて,それからがまた大変。ゴキブリなら,ホイホイごと,袋に入れて,外のごみ箱にポイですが,こんなでかいネズミはそういうわけにもいかず。野原にキャッチリリースするわけにもいかず。考えあぐねてうろうろしていると,

再び近所姑ちゃんズ登場。「かしてみなさい・・・」と,ひょいとネズミ氏入りのホイホイを持ち上げ,近くの畑に常設のごみ焼きようのドラム缶に火をつけて(この当時雑草や畑のごみの野焼きは田舎ではまだ一般的でした),ぽいっとホイホイを放り込んだのです。

げっげっげっ・・・・と驚きましたが,これで,大騒動の主人公ドブネズミ氏はいなくなったのでした。姑ちゃんズのおかげで,それからは安心して元の生活に戻ることができました。排水管は固いアルミ板でくるみ,床との隙間にもアルミ板をきっちりはめて,完全防備したのは言うまでもありません。

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