家主蜘蛛は害虫を食べてくれる益虫なので殺してはいけないが気持ちが悪い不快害虫

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現在32歳の会社員で、今住んでいる家の二つ前の家での話です。ゴキブリは平然と出る家で、それだけでも嫌だったんですけど、ある日とうとうクモまで現れました。小さなクモくらいなら、それまでに何度も色々な所で見たので驚くことは無かったのですが、ある日、風呂からあがって部屋に戻って電気を点けると、妙な違和感に気付きました。

ゴキブリはバルサンをしたばかりなのでいるわけがない。でも、確実に空気がおかしい。部屋を見渡し、壁に貼り付いていたそれに気付いた時、立ち尽くしてしまいました。一瞬、何かわからなかった程の衝撃が襲い、理解したと同時に絶望感しかありませんでした。まるで標本のように足を広げているそのクモは、大人の掌くらいの大きさがあり、抵抗する気力も奪いました。それでも、勿論部屋から追い出さなければ寝る事も出来ません。

ゴキブリ用のスプレーを試そうとしましたが、近づかなければ致命傷は与えられません。近付くことも容易ではありません。クモはジャンプしますからね。虫取り網があれば良かったのですが、害虫どころか少年のアイドルであるカブトムシにすら小さい頃から興味を示さなかったので、生まれてこの方一度も虫取りなどした事はありません。つまり、網も持っていません。ゴキブリの対処法であった、使い捨てのビニール傘の先端に誘導して、傘ごと外に投げるという方法を試そうとしたのですが、生憎、部屋から玄関までは遠く、その間に落ちたらどうしようもないと思い、逡巡しながらクモを見つめて一時間が経過しました。

市民が困っているんだから警察だって助けてくれるだろうと思い、110番しようか携帯電話を握りしましたが、来るまでの間にいなくなったら意味が無いと思いやめました。悩んだ挙句の結論は、長距離から捕らえて密封して殺すというものでしたが、そんな都合のいいアイテムは家の中に一つしかありません。掃除機です。長いノズルをセットして、クモに向け、スイッチオン!

クモは壁から一瞬にしていなくなりましたが、掃除機のゴミ入れの中で当然生きています。ノズルの口をガムテープでふさぎ、ゴキブリ用の殺虫スプレーを吹きかけました。中に入って行くように、掃除機のスイッチは入れたままです。念の為に。三日ほど時間を置いてから、外で掃除機を開けてみると、クモはあの威圧的だった姿の見る影も無く死んでいました。

後日聞いた話によると、家主蜘蛛と言って、ゴキブリなどの害虫を食べてくれる存在だったので殺してはいけないとの事でしたが……お前自体が害虫じゃねーか!!という、人生初の巨大蜘蛛との闘いでした。

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