私は65歳の定年をむかえた男性です。この物語は妻と謎の虫の物語です。ある夏の日、家のリビングのテーブルの上を1mmほどの小さな飛ばない黒い虫が一列縦隊で兵隊さんの行進(アリさん?)みたいに動いていました。アリさんよりは一回り小さな虫でした。
出現したのは今回が初めてでは無く、前回(去年の夏)は妻を恐怖のどん底に落として名も告げずに去って(消えて)いき、その正体は不明のままでした。妻を怖がらせたので我が家ではその虫を害虫に指定しました。
今回はその正体を暴いてやろうと「大作戦」を思いつき名付けて「君の名は大作戦」です。その作戦の第一段階は敵の一匹を捕虜にして、しかるべき司令部に送って、その正体を明白にしょうというものです。
私が思った司令部の某大手殺虫剤の会社(ア)の営業所に電話で問い合わせた所「当社の研究所で調べますので持参して下さい」と言われたので、さっそく捕獲作戦の開始です。といっても敵は飛ばず動きは遅いので楽勝で、一匹をつまんでセロテープの上に載せて台紙に貼り付けて捕虜にしました。作戦成功?
あまりの簡単さに四、五匹の捕獲に成功して後日、某(ア)殺虫剤会社の営業所に持ち込みました。応対にでた担当者から一言、よければ生きたまま一・二匹程で結構ですので、お願いできますかとのことで一目散に撤収しました。
後日、再度の捕獲作戦です。今回は、昨年の復讐に燃える妻を指揮官に任命しました。さすが復讐の指揮官です。潰さずに昔の35mmフイルムが入っていた筒状のプラスチックケースに入れ捕虜としました。すると妻は一・二匹でよいのになんと10匹以上も捕虜にしていました。2匹でいいと説明して8匹を妻は処刑しました。ジュネーブ違反?
またまた、(ア)の営業所に再度持参して、調べていただきました。待つこと、一週間。なんとその謎の虫は蟻の一種で「ヒメアリ」ということで、この「ヒメアリ」は部屋の隅の隙間から入ってきて甘いものやお菓子のカスなどに群がるそうで完全に駆除するにはかなり大変だそうです。ゴキブリホイホイにも群がるそうで確かに出現場所にはゴキブリホイホイがありました。
アリの巣コロリという商品が効果的との回答をいただきましたので、さっそくその秘密兵器を帰りに購入して帰りました。6cmほどの大きさのプラスチックの容器の中心に黄色い薬剤(数ミリの餌?)が入ったもので、ヒメアリがその薬剤を巣に持ち帰って一族郎党皆殺しになるそうです。ヒメアリが出てくる場所に置いて薬剤を持って帰るのを気長に見て待ちました。すると、ある日から出てこなくなりました。持ち帰ったヒメアリさんは女王アリさんに大目玉でしょうか?これで、我が家の掃討作戦は完了です。(ア)製薬さんに感謝、感謝です。